2000年8月30日読了
藤野氏はゴールドマン・サックス投信の中小株を得意とするFM(ファンドマネージャー)。地道に会社訪問を繰り返し、芽の出そうな投資先を見つけ出すのが彼のミッションだ。その中で経験したことを本に書いてある。例えば「回顧録を出した経営者のいる会社には投資しない」etcが記述されている。新書版で簡単に読める。
この前、名古屋で某都市銀行連合が発売する投資信託の記念セミナーがあり、その中のパネルディスカッションの中で藤野氏も出ていた。この投信は5つの運用会社が設定した投信を一本にまとめて発売するというもので、5つの中にゴールドマンがはいっていたのだ。5社は日系3社、外資系2社だったが、総じて外資系のパネリストの発言のほうがおもしろい。司会の人が
「今年の経済成長率はどのくらいでしょうか?」
日系投信会社某FM 「...指数、為替の水準、消費者物価指数からして、当社では...」
と真面目に答えようとする。ところがフィディリティ投信のタルボットという日本語の達者な米人FMは鼻から
「経済成長率はわかりませんし、興味も全然湧きません」と一発ブチかまし、
「経済成長率の上下に関係なく、中小の優良企業を訪問によって探し出し、投資し、積み上げ、担当する投信の成績を上げるようにするのが私のミッションです。」
投資家としてはそれが聞きたいのだ、ということをばっちり言ってくれ、販売される投信に過剰な期待を抱かせる発言もなかった。藤野氏の発言も非常にユーモアがあって面白かった。どう面白かったかは本を読んでのお楽しみ。