今日、プラチナの”精進”という万年筆を買ってしまいました(汗)。
しまいました、と書いているのは完全な衝動買いで若干の後ろめたさを感じているからです(^^;
当初これを買うつもりは全くなく、伊東屋で別のセルロイド万年筆を見せてもらおうと思ったのがきっかけです。
セルロイドの万年筆は作れる職人がほとんど残っておらず希少性が高いうえ、仕上がりが鮮やかでカッコいいと思っていたのでした。
実際に手で触ってみるとしっとりと掌に吸い付くようで適度な重さもあり書きやすそうなのですが、柄がボクには鮮やかすぎるように思いました。
そんな雰囲気を察したのか、店員さんが、こんなのもありますと出してきたのがプラチナの「精進」です。
プラチナは2年前から毎年、富士五湖に因んだ限定万年筆をリリースしており、2年前が「本栖」、昨年が「精進」、今年が「西(Sai)」です。
なんだ、よくあるスケルトン万年筆じゃないか、と思ったのですが、店員さんの手元でこの万年筆のキャップが閉じられるのを見たとき、ボクのハートは鷲掴みされてしまったのでした(笑)。
軸をキャップに入れ、くるくる回わし、ねじ切りの残り1/4くらいになると、キャップ内側に装着されている半透明のインナーキャップがくるっと回るのです。そのメカニズムが面白くってついつい買ってしまったのでした(^^;
少し詳しく話すと、万年筆の敵は乾燥で、ペン先が乾燥すると、インク粒子がペン先に詰まってしまい書けなくなります。なので万年筆を長持ちさせる秘訣は大事にしまっておくことではなく、いつも使ってあげることだと言われます。
ところがプラチナ万年筆はスリップシール機構というペン先の気密性と高めるメカニズムを開発し、一年放置した万年筆でもドライアップせず普通に使える製品をリリースしたのでした。このインナーキャップがスリップシール機構の心臓部なのです。
スリップシールという名前くらいは知っていたのですが、メカニズムが実際に目に見える形で表現されているのは面白いと思い、思わず買ってしまったのでした(笑)
↓ ペン先は14K。ロジウムメッキで銀色をしています。
↓ 半透明な部分がインナーキャップで、精進はインナーキャップ表面に文字が打たれているので回転がよくわかります。後継の「西」も同じ機構をもっていますが、インナーキャプに文字がないため回転が見づらいです。だからといって書き味などには一切関係ないのですが(笑)
ペン先はMでインクフローはかなりよくヌラヌラと書け、なかなか気持ちがいいです♪
いつも買う万年筆よりだいぶ高いものだったけど、富士山の世界遺産登録も祝う意味も込めてよしとしよう(笑)
* 写真はレトロカラー効果を被せているので本当の色ではありません。ご注意を。