海外出張中に読んだ。
自由な雰囲気のあふれる大正時代の二人の女子学生を通して対照的な生き方を描く。
これを読んだぼくの疑問はなぜ、今このテーマなの?
なぜこれを岩井志麻子が書かなければならないの?ということだ。
男性に頼らず自らに依って生きるというのは70年代の米国ウーマンリブ運動や、日本では落合恵子などに書きつくされたテーマであまりにもポピュラーすぎる。
「東京のオカヤマ人」には地元企業の社長婦人を蹴って上京し小説家になったいきさつが簡単に書かれている。この人生経験を大正時代の女性に重ねて小説化したのかもしれない。
それにしても小説として読者を驚かす意外性があるわけでもなし、深い共感を抱かせるわけでもなし、どうでもいいような内容であった。
一人のファンとしては「早くホラーにもどってください」と言いたい気分。