2002年2月8日(金)読了
岩井志麻子の待望の岡山シリーズ最新刊。短編集。
これは明治初期を舞台にしたエロチック・ホラー。新聞の書評で知り、さっそく購入。面白さは期待したほどではなかった。
ホラーって、ベースに著者のコワーイ発想があり、読者を引き込み、最後にあっと言わせるという流れが必要だと思うが、大部分の短編が「えっ!うっ! これで終わりなの?」という感想で終わってしまった。明治初期の貧困と無知、岡山県の伝承が息づく独特の世界観に浸るのはいいかもしれないが、スティーブン・キングを読んだときのような満足感は得られないよ。
それにしてもこの本は商業的に失敗している。岩井志麻子だったら書店平積みが常識だと思うが、どの書店にもなかった(見つけられなかった)ので、アマゾンで買ってしまった。
だって、この表題じゃあ、おいておけないよ。女性客が敬遠してしまうから。
この他にも「乞食柱」、「きちがい日和」、「おめこ電球」、「金玉娘」、「淫売監獄」、「片輪車」など人前では言えない短編多数収録。
老婆心ながら、こんな本出しちゃって岡山県民は怒らないかな。