百軒店(ひゃっけんだな)は正式地名でなく、道玄坂を上って円山町に至る
手前の坂の上の一帯をさす通称で、風俗店、ラブホテルがたくさんあるエリアです。
ふつうはそーゆー目的がある人しか入り込まない地域で、いままではなんの興味も
なかったのですが、「東京裏路地<懐>食紀行」という本を読んで、戦前から昭和30年代
前半までは、今の宇田川町に匹敵する繁栄を誇った飲食街だったということを知り、
昭和の香りを見つけるために探検したくなりました。
↓ 百軒店の入り口。緩やかな上り坂
↓ 坂を上って後ろを振り返るとストリップ劇場や風俗店だらけ...
↓ 昭和50年代まではうらぶれたバーや青線時代の飲食店があったそうなのですが、
今、昭和の香りを残すのは昭和元年から営業している名曲喫茶ライオンのみ。
↓ ライオンは裏通りから見ると、いかにも時代を感じさせる建物。
内部は撮影禁止で、クラシックに興味がないので入店しなかったのですが、Webで
検索すると熱狂的なファンが多い喫茶店だということがわかります。
↓ ラブホと神様がお隣さん
↓ エロもきっちり撮っておきます(笑)
↓ ほんとラブホばかり。
ここが特異なのはその地形で、百軒店自体が小高い丘の上に
あり、ちょうど山城みたいになっており、道玄坂通りなどの表通りからのアクセスが
よくないというところです。たぶん車が進入できるのは最初の写真の入り口と他1,2の
通路だけで、隔離されたような感じ
↓ こちらはヤマダ電機のほうから百軒店に入る階段
↓ 面白い絵を発見。
戦後混乱期にこの一帯を支配したヤクザの証言によると
警察も敵対グループもみな、最初の写真の入り口から侵入してきて、さらに細い小路が
たくさんあるので、守りやすく逃げやすい山城のような雰囲気だったそうです。
数十年前の渋谷は警察とヤクザ連合軍が台湾ヤクザと激しい銃撃戦を交えた渋谷事件に
象徴されるような殺伐とした街でした。
人通りの少ない静かなラブホ街を歩きながら、時代の変化の激しさを感じました。