2,3日前にどこかのWeb サイトで士郎正宗の「アップルシード」が映画化されるの知った。
アップルシードはすでにオヤジとなった僕が学生時代に最も楽しみにしていたマンガのひとつで、次巻が出るのを首を長くして待っているうちに忘れしまったものだ(非常に寡作な作家なので)。
まるで昔の恋人にあってしまったような気分になった。
今、映画化にあわせて出版された「APPLESEED 01&02」を見て、オヤジがなぜ学生時代にあんなにアップルシードにひかれたのかを考えると不思議な気がする。すでに20年近く経ってしまったマンガなのにまったく古さを全く感じさせない。今、読み返してみて新しくわかったことがいくつかあることを考えると、学生時代はほとんどアップルシードを理解していなかったんだろうと思う。
でも、理解していないマンガにもかかわらず何であの時、あれだけ魅かれたんだろう?
3つあるのだと思う。
ひとつは圧倒的な情報量で筋がわかりづらく、かえってそれが読者に対する挑戦だと思え、ヒマな学生の向学心(?)に火をつけたこと。
もうひとつは近未来的でしかも実現しそうな現実感。
主人公の美しさ。(これは「攻殻機動隊」にも共通する。ヒロイン”草薙”を失った映画「イノセンス」は、製作者の思いがどうであろうと一般ウケするのは難しいと思う)
Web サイトにUp されているTrailer や「Appleseed Original Soundtrack - complete Edition」に含まれるDVD を見ると原作との違和感をおぼえる(まだ映画そのものは公開されていない)。
「戦いが終わったら母になりたい」、「もうひとつの美女と野獣」とういうフレーズを見ると、原作のデュナン・ナッツのあっけらかんとした強さは映画の中では表現されないようだ。それは否定的なことではなく、「攻殻機動隊」の原作、SAC、映画間の差異同様、「士郎正宗ワールド」が発展的に分岐・成長していると捉えるべきであろう。
いづれにせよ、公開が待ち遠しい。