JR吉祥寺駅南口のバス通りが好きです。
ここは狭い通りに井の頭通りからひっきりなしにバスが流れ込み、
子供や、自転車を蹴散らし、交通監視員の笛が年がら年中、空気を切り裂きます。
市民や行政の声としては都市計画を進めて、拡幅しようというものなんでしょうが、
ボクはずっとこのままならいいな、と思っています。
というのは、ここで見られる一種猥雑で乱暴だけど活気あふれる情景というのは
30年前は東京・多摩地区のどこでも見られたものなんです。
でも、今はおそらく吉祥寺とごく一部の地域しか見られなくなっちゃいました。
西武線沿線、中央線沿線はどこもこんな状況だったので、競って都市計画を進め、
30年たってやっと街がきれいになりはじめました。
ところが、30年たったら、過疎化が地方から多摩地区へ広がりはじめ、何より少子化で
子供がいなくなりました。
都市計画が完了した沿線各駅はきれいになったけど、日中などは誰も人がいない
ゴーストタウンのようなところがたくさんあります。
ボクには吉祥寺に残された猥雑さがいとおしいと思うのです。