昨日は子供の運動会。
日なたでぼぉーっとしていただけなのに結構体力使ってました。
なので今日は日がな一日ゆっくり過ごそうと、最近使い方を覚えたニコニコ動画(和製Youtubeかな)を流しながらメールうったり、写真をプリントしたりしてました。
適当に動画を流していたら軍歌がたくさんのっていたので、
おもしろそうなのでアクセスしてみました。
「軍艦マーチ」とか「同期の桜」とか誰でも知っている曲の後、
「討匪行」という知らない曲が流れ、
その軍歌っぽくない物悲しい旋律に心を奪われてしまいました。
メロディーそのものは単調で、しかも初音ミクで生成された女の子の合成音声がうたっており、単調さを助長しているのですが、それがかえって歌詞の悲惨さを際立たせてます。
おそらく日中戦争の時代に大陸の山岳地帯で抗日ゲリラを追っている
歩兵部隊の苦しみをうたったものだと思います。
最初の歌詞が「どこまで続くぬかるみぞ。三日二夜、食もなく~」ではじまり、
愛する軍馬も倒れ、タテガミを形見に切り取る場面がうたわれます。
飢えと寒さで眠れぬ夜を過ごした朝、味方の飛行機が落下させた乾パンで飢えを癒し、
やっとのことで賊を倒すところを歌っていますが、
まったく勇ましいフレーズもなく、なんとなく戦わされているという諦観を感じてしまいました。
なんとも日本的だなぁ、と思うのが「敵にはあれど亡骸に花をたむけ」てしまいます。
何度か繰り返しているうちに気づいたのは、これは軍歌に名を借りた反戦歌のような気が
してきました。
なぜならぼくが当時の司令官だったとしたら、戦意をなくすようなこの曲を兵士に
歌わせたくありません。
この曲の最後15番に「王帥ひとたびゆくところ、満蒙の闇晴れ渡る」と、とってつけたような
歌詞が入っていますが、当時の軍首脳が、あまりにも兵士たちの間で流行るので、
とってつけたような歌詞をつけて官製軍歌にしたてあげたんじゃないでしょうか。
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ぼくが子どもの頃、夏休みに田舎に帰ると大陸や南太平洋で戦った親戚のおっさん達が、
まだ生きていていて、いろいろな話をしてくれました。
また、30年くらい前には新宿や渋谷に傷痍軍人が立っていました。
今はナマにその時代を語れる人はいなくなってしまいました。
60年前の戦争は、ナマナマしい実感でなく、戦国時代や明治維新と同じくらいの昔の出来事として、ぼくの心の中に認識されていました。
この曲を聴いて、子供の頃、親戚のおっさん達が話してくれたことが蘇ってきて、
なんだか涙がほろりときました。
今の平和な世の中が、多くの人たちの犠牲で成り立っていることを忘れてはいけませんね。
そんなことを考えた秋の日曜日でした。