さてさてDMドラフトができたので、1000部をどうやって印刷するか決めることにしました。
当初、自宅プリントしようと思ったのは、ふだん写真の印刷したり、ラベルを作ったり、年賀状を自分の家のプリンターでやっているのに、なぜDM印刷に限って、印刷屋さんにお願いすることを勧められるのか、
どうにもピンとこなかったからです。
それで自宅プリントと印刷屋さんの印刷のメカニズムの違いやメリット・デメリットを比較することにしました。
自宅プリンタはインクジェット方式の印刷、印刷屋さんの印刷はオフセット印刷と呼ばれる印刷方法になるので、以下はインクジェット方式とオフセットの違いを調べたものになります。
■ 印刷方法の違い
インクジェットはご存知のように、PCのデータがそのままプリンタドライバを通してプリンタへ流し込まれノズルからインクが紙に噴射されて印刷が行われます。
ポイントはデータがダイレクトにプリンタへ流し込まれるので、版などの中間物をつくる必要がない点です。なので、印刷内容の頻繁な変更にも柔軟に対応することができるのがメリットとなります。
これに対してオフセット印刷はインクジェットと全くメカニズムが異なり、データから印刷用の版を作らなければなりません。これはイモ版やプリントごっこ、ガリ版と同じ仕組みです。版をつくる必要があるので、初期コストは大きくなります。反面、一度 版を作ってしまえば、印刷枚数が多ければ多いほど全体コストは下がっていきます。
Wikiでオフセット印刷の仕組みが掲載されていて、これがなかなか面白いのです。
印刷機は3つの円筒状のドラムで構成されていて、一番目のドラムに版を貼り付け、必要なインクを塗布します。このドラムを回転させると、2番目のドラムにインクが転写されます。そしてそのインクが2番目と3番目のドラムに挟まれた用紙に付着し印刷されるようになっています。
さきほど、版はイモ版と似ていると書きましたが、イモ版はインクが付いた版を直に紙に転写させますが、オフセットの場合は2番目のドラムにインクを転写させてから印刷します。したがって版は直接、紙に触れないようになっています。
版が紙に触れないため、版の摩耗が起こらず、いくらたくさん印刷しても均一な結果が得られます。また、ドラムは高速回転するので大量の印刷物を短期間に仕上げるのに向いています。
テレビで新聞社の輪転機が回っている映像が流れることがありますが、あのように大量高速印刷できます。
当然、一度作った版を変更することはできないので(版の作り直しになる)、頻繁に印刷内容を変更する印刷には向きません。
また、版を作るためのデータを作成するソフトとしてアドビ社のIllustratorが業界標準となっているので、オフセット印刷の入稿の際にはIllustratorが必要となるのです。
■ 印刷品質
解像度だとか定量的なスペックの違いは両方ともほとんど変わらないと思います。見比べた印象から言うと、
写真などの画像については、紙にもよるのでしょうが、インクジェットの方が鮮やかな印象を受けます。
文字についてはなぜだかわかりませんが、オフセットのほうがくっきり明瞭に表現されます。特に小さいポイントの字はインクジェットだと、ぼけたように印刷されますが、オフセットは小さくてもくっきり印刷されます。今年送られてきた年賀状などで確認するとすぐわかりますよ。
■ コスト
印刷屋さんに頼んだ決め手はコストでした。
結局1500部印刷したのですが、圧倒的にオフセットの方が安上がりでした。
「印刷方法の違い」に書いたようにオフセットは枚数が多ければ多いほどコストは下がってきますが、インクジェットは逆に上がっていきます。オフセットとインクジェットのコストが逆転する枚数は180枚から200枚のようです。印刷会社のWebサイトにコスト比較データがでていました。
200枚程度のDMを印刷するのであればインクジェットで、それ以上であれば印刷屋さんに頼んでオフセット印刷してもらったほうが安くつくことになります。
実際には1500部のオフセット印刷で総額5,000円未満(郵送料込みで!)でした。
仮に1500部をインクジェットでやろうとすると次のような計算になると思います。
用紙代:1枚10円 x 1500枚 = 15,000円
インク代:1個5,000円のインクカートリッジが5本必要と仮定すると25,000円
トータルで40,000円。なんとオフセット印刷の8倍ものコストがかかることになります。
ながながと書きましたが、
結論としては1000部以上といった大量印刷をするには印刷屋さん以外選択肢はあり得ないのでした。
次回は、Illustratorの壁をどう乗り越えるかです。ボクはIllustratorを使わずPCに入っているパワーポイントで入稿しました。
お楽しみに~♪