2001年9月1日(土)読了
30代台半ばでオヤジになってくるといろんな経験をする。失敗をすることもあればうまくいくこともある。こどもが大きくなり、そういった経験や体験をうまく伝えることができれば、人生の栄養剤となるだろう。
「できる人」というのは「上達の早い人」という意味である。仕事であれ、勉強であれ、スポーツであれ、飲み込みの早い人というのがいる。特定の分野に限らず、普遍的な上達の方法を研究したのがこの本である。
学校教育の中で社会生活の中で役に立たない「逆上がり」や「幾何学」を教える目的は何か?という問いかけがあり、その答えは「普遍的な上達の方法を習得する」と説明しており印象に残った。
残念ながらぼくがこどもの頃は、そういう視点でもの教えてくれた人はいなかった。数学をやる、運動をするのはそのこと自体が目的と化していて、そこから普遍的な上達へのエッセンスを習得するという観点でものを教えてくれた人はいなかった。
しかし、社会人になって思うのは、知識や結果よりも、日々の仕事の中で解決を迫られる課題に対して、どういうプロセスで問題解決に迫ればいいのか、どうすれば早く、しかも自分のスタイルという味付けを加えた回答にたどりつけるのかということが重要だということだ。
本のプロローグ、および前半部分はとってもおもしろい。社会人、特に会社員としてどうすれば自分の能力が発揮されるのかが筆者の観点で述べられている。段取り力、要約力、質問力というキーワードは特に大事。後半は吉田兼好や村上春樹を引き合いにだして、論旨固めをしているが退屈。吉田兼好や、村上春樹ほど天才的な能力をもっているわけでも、そこまで到達しようと思っているわけでもないので流し読みした。